熱圧着の用途とその方法

熱圧着とは名前の通り、熱を使用してくっつける手法のことです。同じ素材や違う素材を融点まで熱して、ドロドロになる一歩手前まで溶かします。そして柔らかくなったくっつけたい素材同士を重ね合わせ、圧着します。これにより、溶けた成分が多少混ざり合いより強固に接着することができるのです。
原子レベルで見ていくと、物質は暖められると膨張しようとします。これは原子と原子の間に隙間が生じるためです。そしてその隙間に別の素材やくっつけたい素材をはめ込み冷やすことにより原子同士が絡まり合ってまた原子の隙間がぎゅっと狭まり摩擦力が増すのです。

溶接との違いは、物質を完全に溶かしてしまわないところです。溶接は完全に物質を溶かし切ってしまいそしてその物質を混ぜ合わせることにより、新たな金属を作り出して接着します。しかし、熱圧着は完全に物質を溶かさないのでその物質の性質を残したい時に使用されます。また、接着剤との違いは有機溶剤などを使用せず、熱だけですので有毒ガスや異物を表面につけずにすみます。繊細な部品などに熱圧着は使用されます。

また、熱圧着はゴムやプラスチックなどの溶けやすいものだけではなく、銅同士やニッケルなどの違う種類の金属同士も熱圧着でくっつけることが可能なのです。方法は同じで、金属を熱してより強固な力で圧着するだけです。金属を熱するのにより熱エネルギーが必要なのと、圧着する力が必要なところが違うぐらいです。