今では微生物が人間にとって有益なものだと知られるようになっていますが、微生物が最初に発見されたのは、日本がまだ江戸時代の頃だったそうです。
微生物を使った身近な道具としては、浄化槽の存在があります。
都市部を離れると下水道が整備されていない地域があります。
別荘地などもそうで、排水の処理は個別に浄化槽を設置して行われています。
浄化槽というのは微生物の働きによって、汚水を浄化する仕組みです。
浄化槽は地面に穴を掘って、埋め込んで使用されます。
浄化槽が設置されていない住宅は、近くの用水路に汚水を流しているなどして、環境をかなり汚染してしまいます。
浄化槽が設置しているのと、設置していないのでは大違いということになります。
浄化槽の構造を簡単に説明すると以下のようになります。
まずキッチンやトイレからの汚水が、浄化槽に流れ込みます。
汚水が最初に到達するのは「嫌気ろ床槽」と呼ばれる区域です。
この区域では、酸素を必要としない微生物が、汚水を分解します。
嫌気ろ床槽を経て汚水が次に向かうのは「接触ばっ気槽」と呼ばれる区域です。
この区域にはモーターで酸素が送り込まれるようになっていて、酸素を得た微生物が活発に汚水を分解します。
接触ばっ気槽から出た処理水の上澄みは、消毒槽に入ることによって塩素消毒が行われ、浄化された状態で浄化槽の外へ排出されることになります。
浄化槽の沈殿物については、後にくみ取りが行われることになります。
浄化槽が排水の処理をする装置というのは、子供の頃から知っていました。
でも浄化槽は微生物の働きによって、排水をきれいにするとは一般に知られているでしょうか。
微生物というのは普段人間はまったく意識していませんが、動植物の死骸や不溶物を分解して、豊かな栄養のある土壌に変える役割を持っていたりします。
最近は微生物が分解するタイプのトイレも登場して、山岳地帯の山小屋やトイレで使用されているそうです。
人間による微生物の使い方は、まだ知られていない方法があるのではないかと思います。